●源帰は何故すぐに効き始めるのですか?(活性汚泥処理でも、生物膜処理でも)
フロックや生物膜は、微生物とSSがEPSの作用により互いに強く付着し合った集合体であると考えられます。OSSCと微生物の作用により、この集合体の付着状態をほぐす→フロックや生物膜内部への溶存酸素や被分解物の供給を促進 →微生物による分解を促進、という機序を考えています。
源帰に対して多く寄せられる感想は、「短期間で効果が目に見えて分かる」 というものです。源帰の投入で、先ず既にいる分解菌の働きを高め、その後で、投入した微生物の増殖による効果が現れます。
●源帰により何故汚泥の凝集・沈降性が向上するのですか?
源帰の中に凝集剤は配合されていません。 好気性分解に寄与する活性な微生物の増加、糸状菌の減少、未分解物(SS)の減少、新しいのEPSの増加等の複合的な効果により、汚泥の凝集力が高まると考えられます。
●源帰により何故糸状性細菌 や 放線菌 が激減するのですか?
糸状性細菌 や 放線菌の出現は、それらが増殖するための栄養が、活性汚泥や生物膜中に残っているために起こると考えられます。 源帰の使用により、それらの栄養(即ち未分解BOD成分)の分解が促進されて、糸状性細菌 や 放線菌が増殖できなくなるからと考えられます。
源帰により槽・配管内壁に付着している汚泥が剥離します。付着汚泥の内部は嫌気性になり易く、付着汚泥が液と接触する部分に、還元性硫黄化合物を酸化する糸状性細菌が増殖することが知られています。即ち付着部分が糸状性細菌の巣になっていることがあります。そのような糸状性細菌の巣を源帰により除くことができることも、源帰により糸状性細菌が激減する理由と考えられます。
●源帰により何故、生物膜処理で担体上の肥大化した付着物が直ぐに脱落(剥離)するのですか? (何故MBR膜汚れを抑制できるのですか?)
生物膜処理で頻繁に見られる肥大化付着物(以下付着物)は、担体上に先ず形成される生物膜(basefilm)上に、廃水中の未分解物質と微生物が互いに付着し合って成長することにより形成されると推定されます。 源帰使用開始後数日で、大きな固まりが脱落(剥離)し始めます。 実験室での観察から、付着物は薄い生物膜 (basefilm)を残して剥がれていくことが分かりました。 付着物の構成要素(微生物とSS)間の結合力を弱める作用が働くため、と考えられます。
(MBR膜汚れ抑制も同様な機構で考えられます)
●生物膜処理で担体上の付着物が剥れたら処理能力が落ちませんか?
処理能力が格段に向上します。
以下が理由です。付着物が全て剥がれるのではありません。源帰は剥離洗浄剤ではありません。薄い生物膜が残ります。肥厚した付着物が剥れた後、適切な厚さの生物膜が維持されます。担体の表面積が最大限に好気性処理に利用され、肥大化付着物の場合のような内部の嫌気化による処理障害が起こりません。
●源帰により何故、汚泥発生量が減るのですか?
生物処理では、廃水中の汚濁物質の一部は、汚泥に付着して除去されます。未分解のまま余剰汚泥として排出されます。 また、分解されても菌体内に栄養として蓄えられる場合があります。源帰により、分解菌の分解力が高まり、この両方(未分解物質、菌体内の栄養)が減るため、結果として余剰汚泥量が減ると考えられます。